「100の詩」
1999.May16
Words By Kenji Kanno!


100の詩には
100の物語がある

夢も失望も
喜びも悲しみも
喜怒哀楽の思いの丈を
ひとつひとつの
フレーズに織り込んで
自分自身の物語を
綴ることができる

自分の気持ちを
これほどまでに
ストレートに
表現できる手段が
他にあるだろうか

100の物語は
作者の人生を如実に現すが
その殆どは真実ではない

人生のノンフィクシヨンに
裏付けされた
フィクシヨンである

感受性が生み出した
想像の産物であり
役者が役を演じるように
心が言葉を綴っている

それは作品となり
それを読む者が
感動した時に
芸術となる

芸術とは
自己満足のためにある
自己を満足させられずして
それを享受する者を
満足させられるはずもない

自己のために書き続けよ
他人のことを考えてはならない

創作の向こうに
読者の顔が浮かんだ時
詩は歪められ
素直な心は失われる

自己満足の詩こそが
読者をも感動させるのだ
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