「物の哀れ」

1999 June4
Words By Kenji Kanno!


真実とはいったい何なのか

愛の真実
仕事の真実
人間の真実


不実を強いられるとき
真実の美しさが見えてくる


通らない真実を
自分の意思を以って
毅然と追求することに憧れる
空しい願望


愛に建前などと言う概念はない
本音を旨とし
優しく思い遣る心があれば救われる
愛の真実は情であり
いとおしく思う心そのものである


仕事に建前は必要なのか
矢のような成功が羨望を生み
仕事が閉ざされ牛歩となる
仕事の真実は己の可能性の発露にある
臆せず突き進め
その結果は誰も揶揄できない


人間には
抗うことのできない業がある
涼しい顔で人間愛を説く傍らで
平気で他人を貶している
人間の真実は相反する心を攪拌し
中和して生きることにある


本音と建前
愛と憎しみ
攪拌されない心は
常に真実を求めてさまよう

物の哀れは無常である


SelectMenu TopPage