「別世界」

２０００　Ｆｅｂ．２７

Ｗｏｒｄｓ　Ｂｙ　Ｋｅｎｊｉ　Ｋａｎｎｏ

この世と別の世界は

あり得るのだろうか

人間は地球に誕生し

進化の途上にあるが

この地球では

最も発達した脳を持ち

物理的にも精神的にも

卓越した世界を築いている

また宇宙を認識できる

地球上では唯一の存在でもあるのだ

物理的にこの地球を支配している力は

宇宙をも支配している力である

それを理解することは

地球の存在が人間にとって自然であるように

宇宙の存在も自然であることを示唆している

銀河系宇宙の端に位置する

オリオン腕の中の

取るに足ら無い恒星

その太陽を周回する

九つの惑星の第三惑星地球

宇宙から見れば

砂粒以下の存在である

地球に誕生した生命が

その生立ちを想い

存在の根源を理解するまでに至っている

これは奇跡以外の何物でもあるまい

しかし奇跡ではないと仮定したらどうだろう

果てしない宇宙では日常茶飯事であったとしたら

現在の天文学では

地球に存在する

人間が築いた高度な文明と

同じような文明を持つ星は

我々の銀河系に

一つは存在すると結論付けている

それは現存する文明である

過去に文明を持っていて

現存しない文明は含まれていない

Ｔｈｅ　Ｇａｌａｘｙ

我々の銀河には２０００億の星々が息づいている

その銀河系と同じような銀河

Ｇａｌａｘｙは無数に存在するのだ

その中に地球と同じような環境と生命体を有する

惑星が無いと考える根拠を見つけることは

至難の技である

必ず存在すると思う方がより自然なことなのだ

しかしそこに存在する文明は

生命体の容姿も含め

人間が築き上げたものとは

似ても似つかぬものであるに違いない

生命の進化は多様であり

その生業には奇跡が必要である

物理的にも精神的にも

まったく異なった存在としての

地球人に対しての宇宙人は

果たして

どのような世界観を持っているのだろうか

宇宙が一つだとすれば

そこに作用する物理的な力は

統一されているに違いない

だとすれば宇宙の認識には

それほどのズレはないはずである

しかし精神世界はどうであろうか

精神などどいう実態のない世界は

この宇宙人には

まったく関係のない世界かもしれない

優しさだけが備わったユートピアかもしれない

他の宇宙人に対しては冷酷非道かもしれない

この精神世界だけは想像すらできないのだ

それだけ精神世界は複雑で

それを宿す生命体の誕生と進化に

大きく依存している

果てしない宇宙においても

物理的な世界は

人間が想像できる世界である

しかし精神世界には

人間の想像できない

別世界がきっとある