「コーヒー」
1999.May22
Words By Kenji Kanno!


ちょっと気取って
背筋を伸ばし
左手に受け皿
右手にカップを持ち
品を作って口に運ぶ

芳醇な香りと
微妙な酸味が
まどろむ脳を
キリッと現実に引き戻す

冴えた意識が
独りの寂しさを埋めるように
素敵な異性を求めて
瞳を輝かせる
出会いを求めて飲む
コーヒーがある

見詰め合って
愛をささやくテーブルには
神秘的な琥珀色の液体が
幸せの香りを放つ

出会いがあり
恋があり別れもある
いつの時も
変わらぬほろ苦さで
僕を見つめていた
なくてはならない存在

これからも
誰よりも僕の側にあって
喜怒哀楽の人生に
翻弄される僕を
その不変の味と香りで
慰めて欲しい

コーヒーの愉しみは
魅力ある
琥珀色の味わいだけではない
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