「映画」
1999 Apr.12
Words By Kenji Kanno!


久しぶりに映画を見た

愛も自然も
憎しみもアクシヨンも

スクリーンと私の間に
虚像と実像の
確たる隔たりをもった
世界が見える

しかし
どうして感動し涙するのか
現実とはかけ離れているはずなのに
身近で起こったことのように
全身が反応してしまう

夕焼けに覆い尽くされた
大海原を翔けるヨットに

その中で激しく求める
男と女に

やがて別れる切なさに

自分には
絶対に当て嵌まらない
情景を見つつ

虚像と認めて
尚且つ全身の震えを
禁じ得ないこの感動は何だ

人間は誰しも
侭にならない世界があり
努力の上に生きている

努力を超えた
夢を見たとき
現実を忘れ感動がある

超えられない
現実の向こうにある
生きている夢の証を
映画に見ている


SelectPage TopPage