「別れのエキスプレス」
1999 May08
Words By Kenji Kanno!


別れのエキスプレスは
発車のベルとともに
今夜も哀愁を運ぶ

線香花火のように
短い週末に激しく求め
すべてを奪い合って
心身の気だるさと
空しさを抱えたまま
別れのエキスプレスの
デッキに立ち
絡めた手を引き寄せ
未練のキスをする

4度目の週末愛は
まだ激しく燃えている

いつまで続くのだろう
離れる切なさに耐えきれず
心が激しく揺れ動く

やがて.....
会えない寂しさは鬱となり
躁を求めて巷をさまよう
貪るばかりの恋愛が
成就するはずもない

再び会うことのない
別れのエキスプレスに
飛び乗る時がやって来る

愛は身近にいてこそ享受できる
週末愛に激しく求め奪えば
快楽の虜の果てに
精神が病み
愛の優しさは失せる

別れのエキスプレスは
涙を誘うドラマの一場面

事実は小説よりも奇なり

今夜も
別れのエキスプレスに手を振る
哀れな恋人たちがいる
SelectPage TopPage