「銀河列車」
1999.Feb.19
Words By Kenji Kanno!


For The Galaxy
僕たちの銀河系宇宙センター行きの
銀河列車が今旅立ちます

愛する君は地球で留守番
たまには一人の旅もいいものだ

プループループルー
発車のベルが鳴ります

君は可愛い手を振って
暫しの別れを告げます

銀河列車は
光速に達するまでは
ひたすら1gで加速します

光速に近づくにつれて
窓の景色が劇的に変化します

今まで窓の横に見えていた景色は
進行方向に集まり出します

今まで後ろに流れていた景色までもが
前方の一点に集中します

西暦3000年に発明された特殊フィルターが
ブルーのすさまじい光から
目を守ってくれます

出発から5年が経過しました
ちょうど銀河系中心部の
半分の距離までやって来ました

これから後5年は
ひたすら1gで減速します

そしてついに銀河列車は
僕たちの銀河系中心部の
宇宙センターに着きました

銀河系中心部は
素晴らしい星星の世界です

この世のものとは思えない
ブルー オレンジ イエローの
星星で埋め尽くされて
万華鏡のようです

楽しみも束の間 
地球に帰る時間が来ました

最初の5年はひたすら1gの加速
残りの5年はひたすら1gの減速です

銀河列車にアナウンスが流れます
「地球はすでに太陽に飲み込まれて消滅」
ええ、どうして
「現在は木星の衛星イオを仮の宿として移住」

銀河列車はイオの宇宙ステーションに向かいます

僕は大失敗をしました
君を地球に置いて来てしまったのです
銀河列車の旅行規約を読まなかったのです
そこには
「銀河列車の10年の旅は
地球時間の数十億年に達する」
そんなバカな
「それでもよろしければどうぞ楽しい旅を」

もはや愛する君は天国で僕は地獄

すでに君がいなくなった今は
For Galaxy
僕たちの銀河系外の銀河
アンドロメダ銀河に
癒しの旅に出よう

銀河列車は
明日また発車する


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