「母の日に」
1999 May10
Words By Kenji Kanno!


齢七十六にして
子供に返りつつある母がいる

楽しい思い出は
いったい何年
あったのだろうか

戦争とともにあった青春
貧しい時代の子育て

いつの時代も
母の大きな懐に抱かれて
守られていた

一生懸命の母の姿が
子供心に好きだった
苦労はしたが
幸せだったに違いない

一人で起きた昼下がり
母を捜して泣いた
自分が懐かしい

母の懐は何にもまして
安住の地であった

もういいんだよ
ゆっくり好きに
振舞って欲しい

あなたが
僕の手を引いたように
今度は僕が
あなたの手を引こう
どこにでも
連れて行ってあげよう

僕が大人で
あなたは子供

僕に身をまかせ
ゆったりと過ごして欲しい

それが精一杯の僕の孝行

これまでありがとう
さしてこれから長く
しっかりと
僕はあなたの手を
引いて行こう
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