「平和」

1999 Aug.15

Words By Kenji Kanno!


平和とはどういうことなのだろう

最後の戦争から半世紀以上が過ぎた

今日はその戦争の終戦記念日である


多くの若者は今日という日を忘れている

街角の不特定多数の子供たちに

テレビの特集番組がマイクを向ける

彼らの殆どは終戦記念日を知らない

それは正にこの日本が

平和であることの証でもある


平和は国によって齎されている

専守防衛を旨とする自衛隊という

軍隊とは似て非なるものを

大義名分として持ってはいるが

それを実戦に使用することは至難の技である

それ故に外交による同盟によって

平和が保たれている

好むと好まざるとに拘わらず事実である


その軍事同盟によって平和が保たれていることなど

全く理解も意識もすることなく

若者は青春を自由を謳歌している

それもまたこの日本が平和であることの証でもある


しかし戦争放棄の平和憲法のもと

国際社会においては国の意思を

明確に表わすことができないでいる


自分の国は自分で守る

これが独立国家の原則である

日本はアメリカの意思のもとに

これを放棄しアメリカの傘下に入った

これにより経済大国になり得たのである


この状態が

この平和の有り様が

遠い未来まで続くのであれば

何も言うことがない

それは大変結構なことなのだ

しかし人心は気紛れである

人心の集まった国の意思は

国益の如何によって変化する

最後は自国のためにしか行動しない


平和を保つにはそれなりの痛みがともなう

自分の国を自分で守るとは容易なことではない

有事に戦う覚悟がいる訳だ

しかしその意思の有り様が

他国の意思に左右されない自信を作り出す


そのようなごく自然な国の有り様が

日本では悪しきことのように排除されている


そろそろ真剣に議論してもいいのではないか?

若者が何の疑問も持つことなく

自由闊達に安穏としていられる社会は素晴らしが

それを自国のみの力で作り出さなければ

いつかは壊れる


終戦記念日に平和の意味を考えてみた


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