’02 Oct.7 Words By kenhappy !

<不安>


心の琴線に触れる歌がある
その殆どは10代から20代に聴いた青春の歌である
中でも小椋 佳の歌には思い入れがある
30年以上前のことだ
高校3年生の夏
予備校の夏期講習に参加していた頃
その帰りに寄ったスナックで流れていた歌が
心に響いて離れない
ナイーブな今までに出会ったことのない
賛美する言葉がないほど心に染み入る声
歌詞がどうの曲がどうのということではない
そんなことは露ほども意識させず
詩 曲 声が醸し出す楽曲のイメージそのものが
感動と同義語となり
小椋 佳その人を如実に物語っているような歌だった

ママがお客さんと話している
「小椋 佳の歌っていいわねぇ」
手に持っているのは「彷徨」のレコードジャケットだった

青春とは自分探しの旅をすることだと思っている自分として
またひとつ自分に出会えた喜びで一杯だった

カラオケなどない時代
歌声喫茶華やかし頃
「潮騒の詩」「さらば青春」など
鬱に苛まれやるせないときに
心の丈を込めて歌ったものである

2日前40代最後の歳となった
小椋 佳の歌はレコードではもう何年も聴いていない
聴いていないと言うよりも
怖くて聴けないのである
その理由をはっきりとは説明できない
切なくて虚しくて息苦しくなってしまいそうで不安なのだ

歳とともに心体のバランスが崩れ
心を宿す肉体が弱体化し
顕になる純な心を受け止めることができないでいる
歳の取り方が下手なのだ

じっくりと勇気を出して
気軽に青春の歌を
懐かしみながら聴いてみたい

心技体とはよく言ったものである
しばらくは体を鍛えよう


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