「古時計のメロディー」
1999 Apr.17
Words By Kenji Kanno!


軽快なオルゴールが時を告げ
古時計のメロディーが
懐かしい文学の香りを満たす
ここは道後のカラクリ時計

無粋なスーツの男がひとり
歴史が染み込む暖簾をくぐる

二階の神の湯の休息所で
番台に湯代を支払い
男女が休む畳で着替え
何と大らかなり

浴衣でタオルを肩にかけ
粋に構えて神の湯へ
漱石も温まったであろう
古びた大理石の湯船に浸る
ああ何と気持ちが良い

初めての地での仕事帰りに
「ぼっちゃん」と同じ
  カラクリ時計の音色を聴き
 歴史湯に浸るこの贅沢

古時計のメロディーが
キラリと光る
至福の時を思い出させる
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