「再びの舞台」

1999 Nov.19

Words By Kenji Kanno!


幼い心に残る

精悍な雄姿を

鼓舞するように吹き鳴らす

蒸気機関車の警笛のように

遠く消え去るばかりで

帰らないものがある


感動である


映画にテレビドラマに

演劇に音楽に

小説に絵画に

受動的な感動は

有り余るほどである


しかし......

能動的な感動は今はない

自分で作り出す感動に飢えている


何かを成し遂げた後にこみ上げてくる

何とも言えない至福の感動

成し遂げた結果について

多くの人に賞賛されたときに

その感動は最高のものとなる


演劇を見るのではなく

舞台で演じるのだ

音楽を聞くのではなく

舞台で奏でるのだ


それを成し遂げ

観客と一体となったとき

受動と能動の垣根が払われ

回りのすべてが

至福の感動に包まれる


忘れることのできない

感動を想い

再びの舞台を求めてさまよう


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