「人類の礎」
1999 Mar.7
Words By Kenji Kanno!


年老いた太陽
赤色巨星が
母なる地球を飲み込む
数十億年後の現実

人類はその時まで
生き延びることができるだろうか

生命は粘り強いが
あっけない存在でもある

6千万年前に
我が世の春を謳歌していた恐竜は
ユカタン半島に落下した
10Km四方の隕石によって
あっけなく消滅した

恐竜はそれ以前6千万年の間
この地球を支配した

人類の起源は
どんなに遡っても5百万年であり
それ以前は何も解らない

このことだけでも
人類がこの地球では新参者であり
絶対的存在ではないことが解る

その人類は
地球消滅の時まで
素晴らしい進化を遂げ
生き延びることができるだろうか

我々は滅びの世界に生きている
数十億年後の未来に
確実に消滅する母なる地球に

我々の死が確実なように
それは自然の摂理である

その時まで
人類が生き延びることができるなら
死に行く地球を目前にして
星間宇宙に旅立つ術を
身につけていることだろう

宇宙に飛び立つのだ
限りなく光速に近い
宇宙船団地球号で

母なる地球を探して
何世代にもわたる
壮大な星間宇宙の
フロンティアの旅に出るのだ

百万年後には
いくつもの殖民惑星に
人類の子孫が根をおろし
次なる惑星を探査していることだろう

百万年は長い
現在に生きる人類が
宇宙船を持って数十年
技術文明に入って
まだ数百年である

しかし宇宙の時空は壮大である
百万年は無いに等しい

無いに等しい百万年を
フロンティアの百万年に
充実させることができるなら

20世紀の世紀末に生きる我々は
未来に繋ぐ人類の礎として
胸を張って生きることができる

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