「自分のために生きる」

1999 Sept.12

Words By Kenji Kanno!


誰もが確実に

死に向かって歩いている

否定できない事実である


一歩先は未来であり

そこに死があっても

何ら不思議はない


一秒後であっても

数十年後であっても

死は確実にやって来る

それは悲しいことではない

誰もがたどる理である


確実にやって来る死があればこそ

今を大切に生る理由(ワケ)が生まれる


自分のために

恋人のために

妻のために

夫のために

子供のために

そして友人のために

今を大切に生きているだろうか


何よりも自分のために

力いっぱい生きてこそ

他人に優しくなれるのだ


我々はキリストや釈迦ではない

人生のプライオリティーは

自分が最優先である


生きることに虚しさを感じるなら

自分のために何もしていない証拠である


空虚を癒すものは

恋人であり友であり

夫であり妻であり

心の叫びとしての

芸術である


自分のために

それらに働きかけよ

空虚を埋めて

ふれあいの暖かさで

心を包むのだ


幸せは漠として脆いものである

ふれあいの輪こそが

実体のない脆弱を守るのだ


敢えて死を望んではならない

死は確実に未来にある

一歩先か数十年後かは定かでないが

確実にやって来るのだ


ならば敢えて

今の死を望んで何になる

五十歩百歩に過ぎない


幸せに生きることは

心が存在する人間には

難しいことであるが

何千年にもわたって

世代を生きた人間が

乗り越えてきた命題である


今なら千年などは

十二人の寿命の合計に過ぎない

その時々の先祖が

自分のためにどう生きたか

思いをめぐらすことができる時代だ


次の世代のためにも

自分のためにどう生きるか

真剣に考えよう


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