「時間は止まる」

１９９９　Ｊｕｎｅ２１

Ｗｏｒｄｓ　Ｂｙ　Ｋｅｎｊｉ　Ｋａｎｎｏ！

人生８０年

果たして長いか短いか

早４０年を生きてしまった

自分を思う時

それは短い

後の人生は

今までの人生しか生きられない

そう思うと

とても短く

人生の儚さを感じてしまう

２０（ハタチ）までは長かった

子供は早く大人になりたいと思うものであり

願望は心の時間を遅くする

小さな心のキャパシティーには

周りのすべてが大きく見え

時間の矢もゆったりと流れる

いつの頃からだろう

若さを懐かしむようになったのは

若くありたいと思う

時間の矢に逆らう願望が

心の時間を一気に進める

３年が１年に

６年が一年に

９年が一年にも感じてしまう

もはや純粋な世界に生きられない

大人の心には

新鮮な感動と

まどろみを楽しむ余裕が薄らぐ

現実の時間に追い立てられて

骨身を削る宿命が無残である

思い切って

ロマン溢れる

物の哀れを楽しめば

まどろみに時間は止まる