「人生観」

2000 Feb.20

Words By Kenji Kanno


多様な人間の有様を

或る一つの接点から

断定して良いものだろうか


判断の基準は

自分の生きてきた経験であり

それに基づく人生観であり

人生哲学そのものである


しかし縦横斜めから透かして見ても

その器の外に飛び出すことは難しい

判断の基準が自分である以上

その土俵から出ることは難しいのだ


人間は議論をするのが好きである

というよりも

何事も自分の土俵の上で白黒を着けたがる

そこでの議論は自分の人生観そのものであるからだ


きっと自分の人生観などは

取るに足らない生き様であるに違いないのだ

自分の預かり知らない土俵は其処彼処にあって

自分では推し量れない

高邁な人生観が論じられているに違いない

そう思うことの方が自然である

こんなことはきっと誰もが知っていることである


形而下形而上を問わず

心の優しさで接すれば人間は応えを返す

議論する余地などどこにもない

そこにあるのは思い遣る心

すなわち大きな愛である


人間は人間であり

それ以上でも以下でもない

押しなべて優れた存在である

今を生きているそのことに

賞賛の拍手を贈ろう


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