「純真無垢」

1999 Aug.12

Words By Kenji Kanno!


麦藁帽子に捕虫網

腰に虫篭ぶら下げて

スタコラサッサと山の中


誰も知らない秘密のエリア

樹液溜りに一目散

カブトにクワガタカミキリが

蜜を吸って佇んで

絶好の捕虫タイミング

我が意を得たりと微笑んだ


呼吸を整えて

徐(オモムロ)に行動開始

力を込めて大木の幹を蹴る

二度三度とポンポンポン

バサッバサッバサッと

面白いように

憧れの虫たちが落ちてくる


カブト虫の王者の鎧

ミヤマクワガタの凛々しい風貌

シロスジカミキリの華麗な触覚

昆虫に魅せられた少年は

有頂天となり

素早く獲物を手で掴み

虫篭に入れて行く

至福の瞬間


猛暑を物ともせずに

駆け回っていた

遠い遠い日の夏


この灼熱の太陽のように

純真無垢なあの日は

再び来ることがあるのだろうか?

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