「銃社会」

2000 Mar.6

Words By Kenji Kanno


護身用の銃やナイフは

果たして必要だろうか

 

銃やナイフは用途はどうあれ

使用するためにあり

本来飾っておくための物ではない

 

狩猟やアウトドアで使用する

銃やナイフは言うまでもなく

健全な道具である

 

しかし銃社会に氾濫する銃は

銃から身を守るための銃であり

いたちごっこで全く持って不健全である

 

人間の自制心は潔癖ではない

銃がそこにあれば撃ってみたいと思い

ナイフがそこにあれば

標的に投げてみたいと思うのが自然である

 

アメリカで小学生が

銃で人を殺害したニュースを聞いた

彼には銃がおもちゃのようにしか思えなかったのか

あるいは人を殺すために引き金をひいたのか

どちらにしても

銃が身近にあり過ぎる悲劇である

 

アメリカ国民は建国以来

自分の身は自分で守ってきた

それには銃が不可欠だったと言い

銃を正当化してきた

 

日本にも日本刀があった

それはもはや数も少なく美術品の対象で

決して身を守るためのものではない

日本刀も間違いなく

自分の身を守るための武器であった

しかし日本刀を持つ日本人はもはやないに等しい

 

アメリカの銃社会の言い分は

こじつけ以外の何物でもない

子供が大好きなおもちゃを失いたくないように

銃を手放したくないだけである

 

良識あるアメリカ国民の

銃社会阻止に対する奮起を望む


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