「10代の純真」
1999 May05
Words By Kenji Kanno!


指折り数えて振り返る
年のひとつひとつに
思い出がある

何より楽しかったのはいつだろう
何より苦しかったのはいつだろう
恋に歓び恋に泣いたのはいつだろう
愛する人と暮らしたのはいつだろう

それらのひとつひとつが
人生の節目であるに違いない

疑うことを知らず
いつも笑顔でいた10代の純真
楽しかった時代に戻るには
指を何度も重ねなければならない

10代から現在まで
何度指を逆に折っても
10代の純真と現在とは変わらない
いつの時代もその時のままに
心の時代は止まっている

肉体が隠れ蓑となって
その心は秘め事のように
外界から隔絶されている

ナイーブな隠された心は
生きる知恵とせめぎ合い
悲鳴をあげる

悲鳴をあげてもなお
10代の純真は生き続ける

これでいい
生きるに辛くても
10代の純真は
人生の詩(ウタ)を生み続ける


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