「心」

2000 Apr.22

Words By Kenji Kanno


深いようで浅いのが知識であり

浅いようで深いのが欲望である


この誰もが知っている命題は

人間が人間であることの証であり

抗うことのできない事実である


世紀末に生きる我々の心にも

確固として存在しており

2000年前に生きた人間にも

間違いなく存在していたゾルレンなのだ


常に自戒をもってことにあたれば

人間にはすべてを許せる優しさがある


証としての肯定だけを求めれば

心は疲弊し理性との葛藤で

心身ともに地に落ちる


すべては心を持ち

それを理解できる

人間の成せる技である


時代の最先端の

テクノロジーを享受して生きる人間にも

古を生きた人間にも

共通に流れる心を思うとき

不思議でならない


PCに向って詩を書いている人間の心にも

剣を振り翳して戦っていた武人の心にも

人間が人間であるための当為が

共通に流れているのだ


それは不思議であるが

素晴らしいことでもある


3000年を生きる人間も

きっと同じ心で逡巡することだろう


SelectMenu TopPage