「心の軌跡」

2000 Feb.26

Words By Kenji Kanno


振り返る年の数を思うとき

人間の一生の短さを痛感する


当然のことながら

10代では振り返る年はないに等しい

20代では10年

30代では20年

40代では30年といったところだ

40代後半の自分としては

40年を振り返り

懐かしく思い出すことも可能である


この先

今の人生の倍を生きることは

至難の技である

この至極当たり前のことを想いながら

人生の短さに悲哀を感じているのだ


これまでの40数年などは

あっという間のことである

平均余命までは30数年

定年退職までは10数年

きっとあっという間に過ぎて行くだろう


過去に何をしてきただろう

振り返る40数年は

自分にとって満足の行くものだったのか

社会的に地位も名誉もない

ただの男である


幸いなことに心の足跡だけは

しっかりと残っている

10代からの心の軌跡は

詩の中にオリジナルソングの中に

時を記して刻まれている


生活という現実の実態はないが

人間としての証である心の有様でけは

確かに生きてきた40数年を露にしている


できることなら

余命までの30数年も

生活という現実を感じることなく

生きてみたい


30数年後に

再び心の有様を振り返ることができるなら

人生の悲哀を痛感することなく

余命をまっとうすることができるかもしれない


その結果を見るのは

そう遠くない未来である


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