「心と心」
1999.May27
Words By Kenji Kanno!


犬のように
素直に心を表現できたら
きっと晴れやかな気分に
なれるだろう

出かける時には
一人にしないでと
玄関から動かない

帰って来れば
二階のテラスで
全身を振るわせ
喜びを表しながら
玄関までお出迎え

あれが食べたい
これが欲しいと
好きなものを
何時間でも強請る
いじらしさ

嫌いなものには
毛を逆立てて
怒りを露にする
隠すことのできない感情

これが自然の姿
生物の有り様である筈なのに

心の扉に鍵を掛け
中を見せようとしない

人の気持ちを大事にしようと
社会の常識に合わせようと
ストレスに身を晒しながら
感情を押さえ
波風を立てまいと必死になる

それを理性というなら
あまりにも短絡過ぎないか

叫んでみよう
心の扉の鍵を開けて
蟠りを吐き出すように
喜怒哀楽のすべてを
声にして

理性とは
取り繕うものではない
掛け値なしの
正直な優しさと
素直さがあれば
心と心は
混ざり合って一つになる
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