「交響曲」

1999 July10

Words By Kenji Kanno!


チャイコフスキーの

第四番交響曲が

ファンファーレを

高らかに奏でる中

夏の花火はカラフルに

次から次へと

夜空を染めて美しい


何年前の映画だろう

無骨なチャイコフスキーの

人生物語としては

派手なオープニングであった


目には目を歯には歯を

鬱の嵐に心の船が悲鳴を上げる時

竜巻のような第四番は

嵐と戦い航路を開く


この物悲しげな

激しい情熱の響きは

何物にも喩えようはないが

紛れもなくチャイコフスキーが

人間が成し得た業である


ショスタコビッチの

第五番交響曲が

ファンファーレを

高らかに奏でる中

ロシアの広大な大地に

砲声が鈍く響きわたる


何年前の映画だろう

ロシア革命には

正にこの革命交響曲が相応しい


それはショーロホフが綴った

壮大な静かなるドンの物語

赤軍と白軍の間で

自分の進むべき道を

見出せない主人公を

ボルシェビキに導いて行くようだ


この力強い荘厳な響きは

何物にも喩えようはないが

紛れもなくショスタコビッチが

人間が成し得た業である


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