幸せな未来のために

2000 July 4 
Words By Kenji Kannno


粋な酒場で一人酒

あちらを見ても

こちらを見ても

楽しそうにカップルが語らう


枯れ雄花ではないけれど

自分にもこんな時代(トキ)が

確かにあった


羨ましさは露ほども感じない

ただただ微笑ましく

幸せ感がこちらまで伝わって

心地よい


ここに集うカップルの

果たして何組が

この幸せな恋を

成就させるのだろう

お節介にも程があるが

そのことだけが気になった


若さは異性を引きつけ

その気にさえなれば

求め合うことは

さして難しいことではない


しかし真摯な心の伴わない

肉体の触れ合いは

長くは続かない

理性が疚(ヤマ)しさに疼いて

ブレーキをかける


やがて心の逡巡が

ブレーキとアクセルを

程よく噛み合わせ

調和をもたらす


程よい不協和音の解決は

和声には不可欠である

響かぬ音が

和音をより鮮明に印象付ける


何物にも替え難い程に

愛しい異性ならば

お互いに我慢が大切である

我慢が喜びを生む


別れはまた簡単である

口喧嘩をしてさようなら


後悔先に立たず

よくよく

恋愛の成就について

考えよう

幸せな未来のために


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