「宇宙の物語」
1999.May16
Words By Kenji Kanno!


水素をヘリュームに変える
核融合反応が光のエネルギーとなり
太陽は輝き恵みを地球に降り注ぐ

宇宙のすべてのものは我々と兄弟であり
窒素もカルシュームも鉄も炭素も
すべて宇宙の錬金術が作り出したものである

宇宙の営みは輪廻転生不死鳥である

恰も意志があるかのように星は壮大な死を遂げ
我々を形作る有り余る元素を宇宙空間に放出する

そのあまりにも美しい有様は
11世紀のアメリカインディアン
アナサージ族の心を捉えた
彼らの一人は岩壁に星の絵を描いた

宇宙の錬金術の起点となる
超新星の爆発による
凄まじいエネルギーの放出を見たのである

放出された我々の物質は
星間ガスとなり雲となって押しつぶされ
次の世代の星となる

恒星は紫外線を惑星に降り注ぎ
大気の上昇が雷を生み
稲妻がエネルギーとなって
複雑な有機物を作る
生命の誕生である

宇宙の中でありふれた太陽系の
ちょっと変わった星
我々の地球にもやがて生命は生まれ
45億年の時間の中で
人間という掴みどころのない
不思議な生物が宇宙を考えるに至った

宇宙の子の誕生は奇跡である
しかし宇宙の子の末路は.....?

この生命を大事にしたい
壮大な宇宙の物語の
取るに足らない数行に書き連ねた
人間という存在の歴史は
蜻蛉のように儚い

儚いのなら手を取り合って生きよう
すべては仲間
宇宙の子そして地球の子である
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