「幼子でいたい(パート2)」
1999 Mar.16
Words By Kenji Kanno!
小さな心に
いっぱいに広がる
大きな夢の遊び場
こちらの塀から
あちらの塀まで
走り比べを楽しんだ
投げて打って
隣の家の
屋根を越えたら
ホームラン
砂場に輪を描いて
はっけよい
のこったと
横綱の張り合い
独楽をぶつけて
力を鼓舞した
喧嘩独楽
潰れたら負けと
歯を食いしばる
駈けて背に乗る
馬ごっこ
Sの字描いて
ケンケン歩きで
相手を倒し
宝を奪うS外戦
ビー玉をぶつけ合い
メンコをひっくり返す
すべてを賄った
小さな心に息づいている
大きな夢の遊び場
小さい
何もできないほどに
小さい
数十年ぶりに
思い出の遊び場に立ち
慄然とする
穢れた目には
失った純の数ほどに
大は小となり
幼い思い出が嘘のようだ
この空間を
再び夢の遊び場とすることが
できるだろうか
純な新鮮な心の目を
再び得ることが
できるだろうか
穢れた大人より
幼子でいたい