「漠然とした恐ろしさ」

1999 June25

Words By Kenji Kanno!


今いる空間が

恐ろしくなることがある

 

今どうしてここにいて

連続した時間の中で

自分の存在があるのだろう

 

その存在は過去と未来の狭間にあるが

境界線は見えない

 

どうして1分前の自分を鏡に映せないのか

どうして1分後の自分を鏡に映せないのか

現在は常に前に進み未来を埋めて行く

過去は後ろに広がり思い出となる

 

自分の存在を考える時

何故ここにあるのかを不思議に思う

 

地球に人類が誕生し

その特定の男女の営みによって

自分が誕生した

そして40数年生きている

 

ごくあたりまえの

理(コトワリ)を考えているのではない

 

閉じられた空間の中での

時間の矢に縛られている

この世の全ての存在が

不思議であり

この空間にあることが

漠然と恐ろしく感じるのだ

 

現在だけが

自分の存在を決定している

未来は存在ではなく無である

過去は存在ではなく記録である

存在は現在にのみ生きている

 

夜が来て眠りにつけば朝が来る

どうして連続した時間の中で

自分の存在と共に

夜が来て朝をむかえるのか

その存在が不思議であり

漠然とした恐ろしさを感じるのだ


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