「詩の女神」
1999.May28
Words By Kenji Kanno!


詩の女神は
押し黙ったまま
語りかけてはくれない

数ヶ月の間
僕の心に宿り
朗々と歌った詩(ウタ)を
僕は音符にし楽譜に現した
ただそれだけのこと

語りかけても
ささやいても
何の反応もない

きっと詩の女神は
僕の心にはもういない

何の詩(ウタ)も聞こえてこない
紫陽花の気まぐれのように
何処かに旅に出たのか?

音符を書き綴るだけの
怠惰な様に愛想を尽かし
逃げ出したのか?

いずれにしても
僕は詩の女神を追いはしない

女神は何物にも縛られない
自由な存在であり
僕の人生を語る語り部である

語るべき物語が
再び綴られるまで待とう

この陰鬱な梅雨が過ぎれば
また人生の一頁が綴られる

それまでには
きっと僕の心に戻るだろう
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