「謙虚になれば」

１９９９　Ｎｏｖ.７

Ｗｏｒｄｓ　Ｂｙ　Ｋｅｎｊｉ　Ｋａｎｎｏ！

知らない世界が誰にでもある

たとえば

宇宙はどうして始まったのか

無から有がどうして生まれたのか

今の科学では

相当確かなことを土台にしても

想像することはできても

立証することはできない

また

無限は想像することはできても

現実のものとすることはできない

あなたが想像した数に1を加えれば

それはもはや無限ではなくなる

物質の世界ばかりでなく

精神世界もこれと同じようなものである

あなたが何を土台に物事を考えているかなど

誰にも判らない

自分の土台を基にして

想像しているに過ぎないのだ

人間は幾つもの舞台を持っている

愛の物語

夫婦の物語

家族の物語

友人の物語

仕事の物語

ライフワークとしての人生の物語

それらのシナリオのない物語を

それぞれの舞台で演じている

それぞれの物語に偽りはないが

ひとつの物語で

その人間の有り様を判断してはならない

すべてを包括した

人生の物語は単純なものではない

評価をするなら

役者としての演技に留めるべきである

心の中を知ることなどできるはずもなく

判ったつもりで想像しているに過ぎないのだから

知らない世界が誰にでもある

このことを常に心に留めて謙虚になれば

未知なる精神世界が露になる