「小説と映画」
1999 Aug.24
words By Kenji Kanno!
小説と映画は
どこがどう違うのだろうか
小説は間接的であり
映画は直接的である
映画は目で見てストレートに感じているが
小説は読んで想像力で感じている
原作を知らずして見る映画は
感動そのものであるが
原作を既に読み知っている映画には
言い知れぬ物足りなさを感じてしまう
それだけ小説には
逞しい想像力が働いている
人間の想像力は無限である
故に一人一人が描く想像の世界は
10人十色であり
読手の数だけの
想像で膨らんだ物語があるのだ
そういう意味で
映画は小説を超えることはできない
極端な言い方をすれば
映画には一つのはっきりとした物語しかないのだ
映像とは想像力を奪ってしまうほど強烈なものである
それだけ作品の善し悪しがストレートに出てしまう
製作者にとってはきっとそれが大変な恐怖なのだ
小説も映画も
人間に感動を与える芸術であり
もとより優劣があるわけではない
いずれも人間が創り出した
心の叫びである
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