柵(しがらみ)

‘01 Feb.17 Words By kenhappy!


何故かしら寂しい気分である

人間はさまざまな柵のなかで生きている

それが無に帰すなら

どんなにか気が楽になるだろう

と思ってみはするけれど

全てが無に帰すということは

生きる屍になることを意味している

孤独の深遠の刹那を愛することは

人間の切なる欲求ではあるが

長く止まることは出来得ない

凡人には孤独の深遠の淵を覗いて

身震いするに過ぎないのだ

侭ならない恋に

侭ならない仕事に

侭ならない人間関係に

侭ならない家族の絆に

侭ならない人生に

自分の身の回りで起こる全てのことは

自分が築いてきた柵を映す鏡である

それらに縛られているからこそ

生きる活力が湧き出すのも事実であるが

人間は押なべて弱虫であり

その精神的圧力に押し潰されそうになることもしばしばである

年輪とともに柵もその連結を増して行く

絡んだ柵を一つ一つ解きほぐし

その全てを愛するもののために帰結させるのだ

全ては愛するもののためにある

そう思うことができれば辛い柵も目的と成り得る

自分の寂しさの裏には

愛するものの笑顔がある

これが生きることの幸せである


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