「宿命」

2000 Mar.14

Words By Kenji Kanno


何をやるにもやり直しができたなら

どんなにか良いだろう

何度も何度もやり直して

最高のものに仕上げて行く


人間には秀でた学習能力がある

繰り返しは学習そのものなのだ

そのことは取りも直さず

何をやるにも

人間には失敗が付き物であることを

示唆している


楽器を奏でるとき

歌うとき

レコーディングするとき

PCに仕事をさせるとき

役者として演じるとき

その他のあらゆる事が

繰り返し学習することで

その本分をまっとうすることができるのだ

対象をあげれば切りが無い


しかしやり直しのできないものがある

それは人生である

過去に戻って

人生の繰り返しはできない

常にそれはリアルタイムであり

好むと好まざるとに拘わらず

真剣勝負なのだ


人間が生きることにおいて

最も大切な自分の生きざまを

その瞬間瞬間において

一発勝負で決めなければならない

宿命を背負っている


常に自分の生きざまの

過去の結果をつき付けられて

生きている

それは辛いことであるに違いない


生きることにおいて

こうありたいと自戒の念を持って

前進しているのが人間の常であり

多くの矛盾を抱えながら生きている

その瞬間瞬間の積み重ねが

人生そのものなのだ


ならば

それはまた他人には真似のできない

オリジナリティー溢れる

自分のみの人生であることを意味している


人の人生に刻まれた

オリジナリティーを吸収するために

人間関係があり

恋愛があり

結婚がある


オリジナリティー溢れる

個々の人生を

賞賛の拍手をもって迎えよう

それぞれの人生を分け与えるために


SelectMenu TopPage