「趣味の領域」

1999 Nov.09

Words By Kenji Kanno!


これまでに没頭してきたことは何だろう


物心ついた頃から歌が好きだった

恥ずかしさも迷惑も許される歳だったのか

どこ憚ることなく大声で歌っていた

そのうちに流行歌ではなく

自分自身の心の詩を歌うようになっていた

シンガーソングライターの始まりである

人生を語るにも愛をささやくにも若すぎたが

ギター掻き鳴らし心の丈を声にして現わした

中身は空っぽだったが覇気だけはあった10代


ふとしたことでモールスと出会い虜になった

来る日も来る日もトンツー交信

毎日が世界旅行である

世界を制覇し130ヶ国と交信証を交わした

権威あるアワードも得た20代


テレビのCMにパソコンが登場する

18歳の時に数学の教師が授業に持ち込んだ

両手に余る大きさの電子計算機

それが初めてのコンピュータとの出会いである

それから12年

電子計算機はマイコンピュータ

そしてパーソナルコンピュータと名を変えて

小さくなって蘇った

何がしかのコンピュータ言語を操れなければ

ものにはならなかったが

覚えれば論理に忠実に応える僕となった

太陽を西から昇らせるようなことはできないが

論理を構築できれば

どんな仕事もパソコンに肩代わりさせることができた

プログラムを作り続けた30代


ワールドワイドウェッブ

インターネットと呼ばれる

世界に蜘蛛の巣のように張り巡らされた通信網が

軍事目的の寸断されない通信網の確保を目的に発展し

世界の不特定多数の人々が巨大なネットを構築するに至った

あなたもわたしも世界に向けての情報発信源に成り得る

素晴らしい情報化の時代に突入し

自分のホームページを立ち上げ

情報化時代の先端を行く40代


何をやるにも

お金を使いこそすれ稼ぎ出すことはない

趣味の領域である


ただ単に何かに没頭し

心の隙間を知識と技術で埋めている

哀しく寂しい人間である


50代は何をしよう

心が空っぽにならないうちにじっくり考えよう

もうその歳はそこまで来ている


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