「黄昏」

1999 June5

Words By Kenji Kanno!


黄昏に追われて

必死に逃げる


何も見えない闇の宇宙が

我を追いかける


きっとそこには

愛も憎しみも

喜びも哀しみも

ないもない

無の世界があるのだろう


現実(イマ)の紫陽花の美しさは

何物にも例えようがなく

雨の雫をたたえて

艶かしく我を誘う


留まるべきか

逃げるべきか


留まれば

やがて闇の宇宙が

我をそして現実(イマ)を黄昏とし

無の世界に同化する


我は必死に逃げる

何も見えない闇の宇宙に

何があるかはわからない

そんな見えない世界に

呑み込まれてなるものか


それよりも

現実(イマ)の紫陽花の妖艶に

この身を投じて

その七変化に翻弄される我でいい


何もない無の境地よりも

深く感情に支配された我でいい


哀しみばかりが続くはずもない

僅かな喜びにこの身を振るわせ

刹那刹那を楽しみたい


黄昏は時の流れに乗って

すべての者を追いかける


現実(いま)を生きるため

黄昏から逃げつづける我がいる

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