「手紙」
1999 May 2
Words By Kenji Kanno!


五月晴れの爽やかな休日
いかがお過ごしでしょうか
こちらは次の土曜日に帰ります
午後一番の特急に乗るつもりです
夕方6時頃には着くでしょう
着いたらすぐに会いに行ってもいいですか
君に早く会いたい
2ヶ月振りだもの
後2年こんな切ない時を
過ごさなければならないなんて
辛くて辛くて
僕は学生だから仕方のないことです
卒業するまでの後2年我慢します
その後は君のために働きます
二人の愛で幸せな家庭を築こう
次の土曜日を楽しみにしています

愛する君へ 君の僕(シモベ)より

よく手紙を書いた
決まって便箋10枚以上に
思いの丈を

手紙を書くことが楽しかった
そんなレトロな時代

君は輝いていた
僕も輝いていた

2年後の未来を信じて
離れ離れの恋愛物語を
精一杯演じていた

通信手段は長い手紙
来る日も来る日も
郵便ポストを見る日が続く
何とも言えない期待感

君からの手紙を手にした時の
心のときめき
開封した時の君の香り
読む時の幸せ

君に会えないもどかしさを
手紙が和らげる

手紙に恋し
実体のない恋愛を加速させる

2年を待たずして
架空の愛は1年で終わった
後には燃え尽きた灰のように
手紙の山が残る

若さの証でもある
情熱の言葉が
SelectPage TopPage