「我が道を行くために」

1999 Dec.3

Words By Kenji Kanno!


辛かったことは忘れたいものである

忘れようとすればするほどに

心の奥底には

忘れるべき対象が

消えることなく居座り

熟成し澱を発して

心を濁す


忘れようと足掻いても

忘れようと思うこと自体が

忘れられない心の傷を開かせる


時を待つだけでは解決しないのだ

記憶はすぐに目覚める


ならばどうしろというのだ

慟哭を抱えたまま生きろというのか

辛すぎる選択をする者などいない

誰もがすべてを忘れて

晴々としたいのだ


しっかりと現実を見つめるのだ

逃げてはいけない

どうして辛くなったのか

ひとつひとつを紐解いて

心の原稿用紙に

しっかりと書き綴ることだ


相手を責めるのではなく

自分の愚かさがはっきりと綴られ

辛さに至った理由(ワケ)を認識したとき

心は逃げる対象を失い

辛さは初めて忘却となる


傷心を癒すのは

気高きプライドを捨て

自分自身と如何に対話をするかによる


その結果を

そして人生を

心の原稿用紙に書き綴れ

我が道を行くために


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