「真白き妖精」

2000 Feb.24

Words By Kenji Kanno


真夜中にシンシンと雪が降る

見なれた風景であるはずの

庭も車も道も家々の屋根も

地上のすべての物さえも

懺悔の後の安らかさに似て

清められて行くようだ


街灯の淡い光の中に

きりりとした大気に締められて

優雅に舞う蛍のような真白き妖精

ここは我が住まい我が日常

今この時

現実は幻想へと変化(ヘンゲ)する


すべてを忘れて

神聖なひとひらひとひらの

穢れなき物語を胸に刻もう


明日になれば

幻想は融解し

現実色が露になる


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