「男も女も弱すぎる」
1999.May25
Words By Kenji Kanno!


吹き荒ぶ暴風に身が縮む
車は大きく煽られて転倒しそうだ
自然の恫喝に心が震える
人間とは弱いものだ

自然の恫喝なら
収まるのを待てばいい
その後は何もなかったかのように
心は平穏を取り戻す

しかし人間の恫喝は.....

昨日のテレビでは
相談という美名のもと
夫婦間の醜い争いを
見世物にしている

男はただ怒鳴り
女の現実を受け止めず
恫喝で夢を押し付ける

女はひたすら現実を説き
夢を認めない

恫喝すればするほどに
男の弱さが見えてくる

その弱さが女に向けられ
侭にならない現実と相俟って
暴力となる

暴力は恐怖を育て
不信の果てに
夫婦は他人となる

男も女も弱すぎる
愛は待つものではなく
お互いが助け合って創るものだ

奇麗事に罵声を浴びせ
素になってこそ
その先の
真の美しさが見えてくる

お互いを
思いやることができないのなら
結婚するな
遊んでいればそれでいい

テレビのスイッチを切れずに
テレビに向かって
小言を言っている自分も情けない
文句があるなら
そんなテレビは見るな
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