「夕立」

1999 Aug.19

Words By Kenji Kanno!


夏のギラツク太陽があっという間に隠されて

どんよりと空がまどろむ

瞬く間の出来事

積乱雲が夏空を隠したのだ

 

車のウインカーの瞬きの

何倍もの速さでピカっと光る

思わず数を数える

その数に音速を掛ければ距離が割り出せる

中学校の理科の時間に学んだことだ

 

まだまだ遠いキロ単位の遠さである

これを何回か繰り返す

光と音の感覚が狭まる

ピカっドカーンと稲光と共に激しく雷鳴が轟き

間近で雷が吠えている

 

この夏のありふれた光景が好きである

自然現象には人間を感動させる力がある

それはとりもなおさず

人間の力の及ばない世界に感動しているのである

 

激しい夕立も

夕立であるかぎり気持ちがいい


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