「春の夕焼け」
1999 Mar.29
Words By Kenji Kanno!


淡く霞がかかった夕焼けが
春の夕暮れを告げている

高層ビルの
幾何学模様の隙間から
瞳に映る薄橙色の
幾重にも重なる雲の皺が
優しく網膜を刺激する

この優しい色だけは
幼い思い出と一致して
ビルの谷間の貧しい心を
和らげる

都会で失った
豊かな心を
春の夕焼けが
思いださせ
五感を揺り起こす

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